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出典: オリジナル想定問題(当サイト作成、実際の過去問ではありません)。公表されている出題範囲に基づく(最終更新 2026-09-30)
ある工場の減速機において、運転中に軸受部から異音と発熱が確認され、点検の結果、給脂周期を超過していたことが判明した。この場合に最初に行うべき対応として最も適切なものはどれか。
- A軸受を分解せずに直ちに新品の軸受と交換する
- ✓給脂状態や異物混入の有無を確認したうえで、適切な潤滑剤を補給する
- C運転を継続しながら回転速度を上げて様子を見る
- D軸受のすきまを詰めるために増し締めを行う
解説
給脂切れが疑われる異音・発熱が発生した場合は、まず給脂状態や異物混入の有無を確認したうえで適切な潤滑剤を補給することが基本的な対応である。分解せずに交換したり、運転を継続したりするのは点検を省略した不適切な対応である。
根拠機械保全技能検定(機械系保全作業)学科試験における潤滑及び給油、機械要素(軸受)に関する知識
ある歯車減速機の潤滑油を定期分析したところ、鉄粉を含む摩耗粉が通常より多く検出された。この結果から判断される対応として最も適切なものはどれか。
- ✓歯車のかみ合いや歯当たりの異常を疑い、分解点検を実施する
- B潤滑油の量を減らして摩耗の進行を抑える
- C摩耗粉は通常運転でも生じるため特に対応は不要である
- D潤滑油の粘度をより低いものに変更する
解説
潤滑油分析で鉄粉などの摩耗粉が異常に多く検出された場合は、歯車のかみ合い不良や歯当たり異常などの機械的損傷を疑い、分解点検で原因を特定する必要がある。油量の削減や粘度変更は根本対策ではない。
根拠機械保全技能検定(機械系保全作業)学科試験における潤滑診断・機械要素(歯車)に関する知識
あるベルト減速機において、駆動プーリの回転数が1800min-1、駆動プーリ径が150mm、従動プーリ径が300mmであるとき、従動プーリの回転数として正しいものはどれか。ただしスリップは無いものとする。
- A3600min-1
- ✓900min-1
- C450min-1
- D1800min-1
解説
ベルト伝動では回転数はプーリ径に反比例するため、従動プーリの回転数=1800×(150/300)=900min-1となる。
根拠機械保全技能検定(機械系保全作業)学科試験における機械要素(ベルト伝動)の計算に関する知識
大型フランジを複数本のボルトで締結する際、締め付けむらによる漏れや変形を防ぐための作業手順として最も適切なものはどれか。
- A一方の端から順番に1本ずつ規定トルクまで一気に締め付ける
- B最も締めやすいボルトだけを先に本締めし、残りは後で仮締めする
- ✓全ボルトを均等に仮締めした後、対角線状の順序で数回に分けて本締めする
- Dフランジの片側半分をすべて本締めしてから反対側を締める
解説
複数ボルトの締結では、まず全体を均等に仮締めし、その後対角線状の順序で数回に分けて徐々にトルクを上げて本締めすることで、面圧の偏りや変形・漏れを防ぐことができる。片側から一気に締める方法は偏荷重の原因となる。
根拠機械保全技能検定(機械系保全作業)学科試験における締結部品(ボルト・ナット)の締付け作業手順に関する知識
時間基準保全(TBM)と状態基準保全(CBM)の違いに関する記述として、最も適切なものはどれか。
- ATBMは振動や温度などの測定データに基づいて保全時期を判断する方式である
- ✓TBMはあらかじめ定めた周期で点検・部品交換を行い、CBMは測定データに基づき状態を診断して保全時期を判断する
- CCBMは一定の運転時間ごとに部品を交換する方式である
- DTBMとCBMはいずれも故障発生後に保全を行う方式である
解説
TBM(時間基準保全)は定められた周期で点検・交換を行う方式であり、CBM(状態基準保全)は振動や温度などの測定データにより設備状態を診断して保全時期を判断する方式である。両者とも予防保全の一種であり、事後保全ではない。
根拠機械保全技能検定(機械系保全作業)学科試験における保全方式(予防保全・状態基準保全等)に関する知識
平行キーで軸とプーリを固定している装置で、運転中にプーリの空転(ガタつき)と異音が発生した。点検の結果、キー溝の側面が摩耗しキーとの隙間が拡大していた。このときに取るべき対応として最も適切なものはどれか。
- A給油量を増やして様子を見る
- ✓キー溝の摩耗部分に応じた寸法のキーに交換し、必要に応じてキー溝を修正する
- Cプーリの回転速度を落として運転を継続する
- Dキーを外して軸とプーリを接着剤で固定する
解説
キー溝の摩耗によりキーとのはめあいにガタが生じている場合は、摩耗に応じた寸法のキーへの交換とキー溝の修正が必要であり、給油や接着剤での応急処置では根本的な解決にならない。
根拠機械保全技能検定 機械系保全作業 学科試験(機械要素・キー結合に関する保全知識)
直結された電動機とポンプの軸継手部で、運転開始後に振動値が徐々に増加し、回転数の1次成分が卓越していた。点検の結果、電動機とポンプの軸心にずれが確認された。このときに行うべき対応として最も適切なものはどれか。
- A軸受を高回転用のものに交換する
- B継手のボルトを増し締めするだけで運転を継続する
- C振動が収まるまで無給油運転を続ける
- ✓カップリングやシムを用いて軸心を合わせる芯出し(アライメント調整)を行う
解説
軸心ずれ(ミスアライメント)による振動増加が確認された場合は、シム調整やカップリング調整による芯出しを行い軸心を合わせることが根本対策となる。
根拠機械保全技能検定 機械系保全作業 学科試験(軸系のアライメント・振動診断に関する知識)
周波数50Hz、極数4極の三相誘導電動機が、すべり4%で運転しているとき、この電動機の回転速度として最も近いものはどれか。
- ✓1440min⁻¹
- B1560min⁻¹
- C1500min⁻¹
- D1380min⁻¹
解説
同期速度Ns=120f/p=120×50/4=1500min⁻¹であり、回転速度N=Ns×(1-s)=1500×0.96=1440min⁻1となる。
根拠機械保全技能検定 電気系保全作業:電気機器(三相誘導電動機の同期速度とすべり)に関する基礎知識
三相誘導電動機が始動時に大きなうなり音を発して回転せず、絶縁抵抗計で巻線と対地間を測定したところ基準値を大きく下回る値を示した。このときに取るべき対応として最も適切なものはどれか。
- Aそのまま再起動し、正常に回転するか確認する
- ✓運転を中止し、吸湿や絶縁劣化などの原因を調査したうえで補修または巻替えを行う
- Cヒューズを容量の大きいものに交換して再起動する
- D絶縁抵抗を再測定せずに、そのまま使用を継続する
解説
絶縁抵抗値が低下している状態での運転継続は感電や巻線焼損の危険があるため、まず運転を中止し原因調査と補修を行う必要がある。ヒューズ容量を上げたり再起動したりすることは根本対応にならず危険である。
根拠機械保全技能検定 電気系保全作業:電気機器の絶縁診断・保守に関する知識
電動機の主回路に用いられている電磁接触器の主接点が溶着し、停止操作を行っても電動機が停止しない事象が発生した。このときに取るべき対応として最も適切なものはどれか。
- A操作回路のタイマーの設定時間を延長する
- Bサーマルリレーの動作電流値を下げて対応する
- C主接点を分解清掃して再度組み付ける
- ✓電磁接触器を新品に交換する
解説
接点溶着は過大電流や頻繁な開閉による損耗が原因で生じ、清掃や調整では復旧できないため、電磁接触器そのものを交換する必要がある。
根拠機械保全技能検定 電気系保全作業:電気制御機器(電磁接触器)の保守に関する知識
回路計(テスタ)を用いて電気回路の抵抗値を測定する作業の手順として、最も適切な順序はどれか。
- A測定子を対象に当てる → 電源を遮断する → レンジを選択する → 0Ω調整を行う
- ✓電源を遮断する → 抵抗レンジを選択する → 0Ω調整(零位調整)を行う → 測定子を対象に当てて測定する
- C0Ω調整を行う → 測定子を対象に当てる → 電源を遮断する → レンジを選択する
- Dレンジを選択する → 測定子を対象に当てる → 電源を遮断する → 0Ω調整を行う
解説
抵抗測定は通電状態のまま行うと誤測定や感電の危険があるため、まず電源を遮断し、レンジ選択と0Ω調整を行った後に測定する必要がある。
根拠機械保全技能検定 電気系保全作業:測定器(回路計)の使用方法に関する知識
シーケンス制御におけるAND回路とOR回路の違いに関する記述として、最も適切なものはどれか。
- ✓AND回路はすべての入力接点が直列に接続され、全ての条件が満たされたときに出力が得られるのに対し、OR回路は接点が並列に接続され、いずれか一つの条件で出力が得られる
- BAND回路は接点が並列に接続され、OR回路は接点が直列に接続される
- CAND回路とOR回路はどちらも接点が直列に接続され、動作条件のみが異なる
- DAND回路は入力が一つでも成立すれば出力され、OR回路は全ての入力が成立しないと出力されない
解説
AND回路は接点を直列接続し全条件成立で出力する論理積回路であり、OR回路は接点を並列接続しいずれか一つの条件成立で出力する論理和回路である。
根拠機械保全技能検定 電気系保全作業:電気制御(シーケンス制御の基本回路)に関する知識
三相誘導電動機をY-Δ始動方式で運転する設備で、始動から数秒後にΔ結線へ切り替わらずY結線のまま運転が継続してしまった。この状態を放置した場合に生じる問題として最も適切なものはどれか。
- AY結線のままでも定格出力が得られるため、運転を継続しても問題ない
- ✓Y結線のままでは出力トルクが定格の約1/3に低下し、過負荷・過熱により焼損するおそれがあるため直ちに運転を停止し切替タイマー等を点検する
- CΔ結線に切り替わらない原因は必ず電動機の絶縁不良であるため、絶縁抵抗測定のみを行えばよい
- DY結線では始動電流が定格の3倍になるため、電源側のブレーカー容量を増設すればよい
解説
Y-Δ始動は始動電流を抑えるための方式であり、本来は短時間でΔ結線に切り替えて定格運転に移行する。Y結線のまま運転を続けると出力トルクが不足し過負荷・過熱による焼損の危険があるため、運転を停止して切替回路(タイマー等)を点検する必要がある。
根拠機械保全技能検定 電気系保全作業:電気機器(三相誘導電動機の始動方式)
工場の受電設備で力率が著しく低い状態が続き、電力会社から改善を求められた。この場合に取るべき対応として最も適切なものはどれか。
- A負荷と直列に抵抗器を挿入し、電流を制限する
- B電動機の結線をΔ結線からY結線に変更する
- C受電用変圧器の容量を減少させる
- ✓負荷と並列に進相コンデンサを設置し、遅れ力率を改善する
解説
誘導性負荷が多い工場では遅れ力率が低下しやすく、これを改善するには負荷と並列に進相コンデンサを設置して無効電力を打ち消す方法が一般的である。抵抗挿入や結線変更、変圧器容量の減少は力率改善策として適切ではない。
根拠機械保全技能検定 電気系保全作業:電気一般(交流回路と力率改善)
振動測定において、変位・速度・加速度の各振動量の使い分けに関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A加速度は低周波領域、変位は高周波領域の振動評価に適する
- B速度振動は測定できないため、変位と加速度のみが用いられる
- ✓変位振幅は低周波領域の振動評価に適し、加速度は高周波領域の振動評価に適する
- D周波数によらず変位振幅を用いて評価するのが一般的である
解説
低周波領域ではアンバランスなどによる大きな振れが変位として現れやすく、軸受損傷などに起因する高周波成分は加速度で捉えやすいため、周波数帯域に応じて振動量を使い分ける。
根拠機械保全技能検定 設備診断作業 学科試験範囲:振動診断技術(測定データの収集)
転がり軸受の振動スペクトルでは異常の兆候が明確に現れず、通常のFFT分析では損傷の判別が困難であった。高周波成分を抽出しその振幅変動を復調して低周波域に現れる周期性を解析したところ、軸受の損傷周波数に一致する成分が検出された。この処理の名称として正しいものはどれか。
- Aオーバーオール値処理
- Bトレンド処理
- C位相分析処理
- ✓エンベロープ処理(包絡線処理)
解説
軸受の初期損傷は高周波の共振域に微小な衝撃振動として現れるため、包絡線(エンベロープ)処理により振幅変調成分を復調し、損傷周波数を明確化する手法が用いられる。
根拠機械保全技能検定 設備診断作業 学科試験範囲:軸受診断技術(測定データの解析および判定)
設備診断における簡易診断と精密診断の違いに関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A精密診断は多数の設備を対象に短時間でスクリーニングするために行われ、簡易診断は原因や損傷部位を特定するために行われる
- B簡易診断と精密診断はいずれも同一の測定項目・測定精度で実施され、判定基準のみが異なる
- C精密診断は特別な測定機器を必要とせず、五感による官能検査のみで行われる
- ✓簡易診断は多数の設備を対象に異常の有無を短時間でスクリーニングするために行われ、精密診断は簡易診断で異常の疑いがあると判定された設備に対して原因や損傷部位を特定するために行われる
解説
簡易診断は多数の設備を効率よく巡回点検し異常の有無をふるい分けるために行われ、疑いがある設備については精密診断でより詳細な測定・解析を行い原因や部位を特定する。
根拠機械保全技能検定 設備診断作業 学科試験範囲:診断技術(簡易診断・精密診断)
回転数1800min-1で運転している回転体にアンバランスが生じている場合、振動スペクトル上に現れる1×回転成分(基本周波数)として正しいものはどれか。
- ✓30Hz
- B15Hz
- C60Hz
- D1800Hz
解説
回転周波数は回転数(min-1)を60で割って求められ、1800÷60=30Hzとなり、アンバランスに起因する振動はこの1×回転成分として現れる。
根拠機械保全技能検定 設備診断作業 学科試験範囲:振動診断技術(測定データの解析)
ある歯車減速機の振動スペクトルを分析したところ、歯数と回転数から算出されるかみ合い周波数の両側に、回転周波数と等間隔のサイドバンド(側帯波)が多数発生していた。この現象から推定される異常として、最も適切なものはどれか。
- A電動機の巻線絶縁劣化が疑われる
- B配管の共振現象が発生している
- ✓歯車の摩耗や偏心、歯欠けなどによる歯車の周期的な異常が疑われる
- D軸受のグリース不足のみが原因であり歯車には異常がない
解説
かみ合い周波数の両側に回転周波数間隔でサイドバンドが多数発生する現象は、歯車の摩耗、偏心、歯欠けなど歯車自体に起因する周期的な負荷変動によって生じる典型的な異常兆候である。
根拠機械保全技能検定 設備診断作業 学科試験範囲:振動診断技術(歯車の測定データの解析および判定)
振動測定に用いる渦電流式変位センサと圧電式加速度センサの違いに関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A渦電流式変位センサは対象物に接触して設置し、軸の絶対振動を測定する。
- B渦電流式変位センサと圧電式加速度センサは、どちらも測定原理・設置方法が同一であり出力信号に違いはない。
- ✓渦電流式変位センサは非接触で軸受ハウジングなどに設置して軸の相対振動を測定し、圧電式加速度センサは対象物に取り付けて機械本体の絶対振動を広い周波数帯域で測定する。
- D圧電式加速度センサは低速回転機械の大振幅測定にのみ適しており、高周波成分の測定はできない。
解説
渦電流式変位センサは非接触で軸とハウジングの相対的な変位(相対振動)を検出するのに対し、圧電式加速度センサは機械本体に取り付けて絶対振動を広帯域で測定する点が両者の本質的な違いである。
根拠機械保全技能検定 設備診断作業(振動診断に用いるセンサの種類と特性に関する専門知識)
振動加速度レベルをLv=20log10(a/a0)[dB]で表し、基準値a0=1×10⁻⁶ m/s²とする。実測の振動加速度がa=1×10⁻³ m/s²であったとき、振動加速度レベルとして正しいものはどれか。
- A30dB
- B90dB
- C120dB
- ✓60dB
解説
a/a0=1×10⁻³/1×10⁻⁶=1000であり、log10(1000)=3なので、Lv=20×3=60dBとなる。
根拠機械保全技能検定 設備診断作業(振動レベルのデシベル表示に関する専門知識)