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出典: オリジナル想定問題(当サイト作成、実際の過去問ではありません)。公表されている出題範囲に基づく(最終更新 2026-10-17)
Aは建物所有の目的でB所有の土地を賃借し、賃借人として20年間占有していたが、その後Aが単独相続によりB名義の所有権を取得したものと誤信し、所有の意思をもって引き続き10年間占有を継続した。この場合のAの占有の性質に関する説明として最も適切なものはどれか。
- A占有開始時に所有の意思がなかった以上、その後の事情にかかわらず他主占有が継続し、自主占有への転換は一切認められない。
- ✓民法185条の新たな権原に基づく占有の法理により、外形的客観的にみて所有の意思に基づく占有と認められる事情があれば、相続による取得の誤信を契機として自主占有へ転換し得る。
- C賃借人としての地位を有していた以上、賃料の支払が続く限り永久に自主占有への転換は生じない。
- D相続は包括承継であって新たな権原には一切該当しないため、自主占有への転換は常に否定される。
解説
民法185条は、占有者が新たな権原により所有の意思をもって占有を始めた場合に自主占有への転換を認めており、判例上、相続のような包括承継であっても外形的客観的にみて所有の意思に基づく占有と認められる事情があれば自主占有への転換が肯定され得る。したがって単純に「常に他主占有継続」とする説明は誤りである。
根拠民法185条(占有の性質の変更)に関する判例法理
共有者A・B・Cが各3分の1の持分で共有する更地の甲土地について、期間を3年とする賃貸借契約を締結する場合に必要な同意要件として正しいものはどれか。
- A共有者のうち誰か一人が単独で決定できる保存行為に当たる。
- B共有者全員の同意を要する変更行為に当たる。
- ✓共有者の持分の価格に従いその過半数で決定できる管理行為に当たる。
- D家庭裁判所の許可を得なければ締結できない。
解説
土地について5年以内の賃貸借の設定は短期の賃貸借として管理行為に位置付けられ、共有者全員の同意ではなく持分の価格の過半数で決定できる。3年の賃貸借はこの範囲に含まれるため、変更行為や保存行為には当たらない。
根拠民法252条1項・4項(共有物の管理)
公道に通じない袋地の所有者が有する囲繞地通行権と、契約により設定される通行地役権との違いに関する説明として正しいものはどれか。
- A囲繞地通行権は登記をしなければ袋地の譲受人には承継されないが、通行地役権は登記なくして常に第三者に対抗できる。
- B囲繞地通行権は当事者の契約によって初めて発生するのに対し、通行地役権は土地の位置関係から法律上当然に発生する。
- C両者はいずれも登記を要せず、第三者に対して当然に対抗することができる点で共通する。
- ✓囲繞地通行権は法律上当然に発生し登記を要しないのに対し、通行地役権は設定契約によって生じ、第三者への対抗には登記を要する。
解説
囲繞地通行権は袋地であるという客観的事実から法律上当然に発生する法定の権利であり登記を要しないが、通行地役権は当事者の設定行為によって発生する物権であり、承役地の譲受人等の第三者に対抗するには登記を要する。
根拠民法210条(囲繞地通行権)、民法280条(地役権)、民法177条(対抗要件)
民法上の地役権の定義として正しいものはどれか。
- A一定の土地を自己の生活の本拠として使用する権利をいう。
- B他人の土地を占有して自ら耕作又は牧畜をする権利をいう。
- ✓設定行為で定めた目的に従い、他人の土地(承役地)を自己の土地(要役地)の便益に供する権利をいう。
- D債権を担保するために他人の不動産について設定される担保物権をいう。
解説
地役権は、設定行為で定めた目的に従って他人の土地(承役地)を自己の土地(要役地)の便益に供する権利であり、要役地の所有権に従たるものとして要役地とともに移転する。他の選択肢は永小作権や抵当権など別の権利の説明である。
根拠民法280条(地役権の内容)
占有による所有権の取得時効が完成し、占有者が確定的に所有権を取得するまでの過程を時系列順に並べたものとして正しいものはどれか。「①占有の開始 ②時効期間の経過 ③時効の援用 ④所有権移転登記の具備」
- A③→①→②→④
- B①→④→②→③
- C②→①→③→④
- ✓①→②→③→④
解説
取得時効は占有の開始後、法定の時効期間が経過することで完成するが、その利益を確定的に享受するためには時効の援用という意思表示が必要であり、第三者への対抗のためにはさらに登記を備える必要がある。したがって正しい順序は①→②→③→④である。
根拠民法162条(取得時効)、民法145条(時効の援用)
Aは自己所有の甲土地上に、境界線からわずか20センチメートルの距離で建物を新築し、当該建物は既に完成している。この場合に隣地所有者Bが取りうる対応として最も適切なものはどれか。
- ABは建物の収去(除却)を請求できる。
- ✓Bは損害賠償の請求をすることができるにとどまる。
- CBは工事の変更を請求できる。
- DBは何ら請求できない。
解説
民法234条1項は境界線から50センチメートル以上の距離を保つべきことを定めるが、同条2項により、建築に着手してから1年を経過し又は建物が完成した後は、違反があっても工事の廃止・変更の請求はできず、損害賠償の請求のみが認められる。
根拠民法234条(境界線付近の建築の制限)
被相続人Aが死亡し、Aの子Bが家庭裁所において相続放棄をした。Bには子C(Aの孫)がいる場合、Cの法的地位として最も適切なものはどれか。
- ACは代襲相続人として、Bの相続分を代襲して相続する。
- BCはBと共に相続人となり、相続分を折半する。
- CCは特別代理人として相続財産の管理を行う。
- ✓Cは代襲相続人にはならず、Aの相続人とはならない。
解説
代襲相続の原因は被代襲者の死亡、相続欠格、相続廃除に限られ、相続放棄は代襲原因とならないため、放棄した者の子は相続人にならない。
根拠民法887条2項(代襲相続)
不動産登記法における「表示に関する登記」と「権利に関する登記」の違いについて、申請義務の有無という観点から述べたものとして正しいものはどれか。
- A権利に関する登記には一定期間内の申請義務が課されているが、表示に関する登記には原則として申請義務がない
- B表示に関する登記と権利に関する登記は、いずれも登記所の職権によってのみ行われ、当事者の申請は認められない
- ✓表示に関する登記には新築等の事実発生から一定期間内に申請すべき義務が課されているが、権利に関する登記には原則として申請義務がない
- D表示に関する登記と権利に関する登記は、いずれも申請義務の有無について区別がなく、どちらも任意に申請すればよい
解説
表題登記等の表示に関する登記は不動産の物理的状況を登記記録に反映させる必要があるため、新築等の日から一定期間内の申請義務が課されている。一方、所有権移転登記などの権利に関する登記は対抗要件制度に基づく任意申請が原則である。
根拠不動産登記法第36条・第47条(表示に関する登記の申請義務)
土地の分筆登記を申請するまでの一般的な手続の流れとして、次の①~④を正しい順序に並べたものはどれか。「①法務局(登記所)への分筆登記の申請 ②現地における筆界の確認及び測量 ③地積測量図の作成 ④登記官による審査及び新たな地番の登記」
- A①→②→③→④
- ✓②→③→①→④
- C③→②→④→①
- D②→①→③→④
解説
分筆登記では、まず現地で筆界を確認・測量し、その結果に基づいて地積測量図を作成した上で、これらを添付して登記所に申請を行い、最終的に登記官の審査を経て新地番の登記が完了する。
根拠不動産登記法及び不動産登記規則における分筆登記の手続(地積測量図の添付等)
筆界特定制度と境界確定訴訟(筆界確定の訴え)の違いに関する説明として正しいものはどれか。
- A筆界特定は裁判所が判決によって行うのに対し、境界確定訴訟は筆界特定登記官が行政処分として行う
- ✓筆界特定は筆界特定登記官が行う手続であり、その結果に既判力は生じないが、境界確定訴訟は裁判所の確定判決により既判力をもって筆界を確定する
- C筆界特定の結果にも境界確定訴訟の判決にも既判力が生じる点で両者に差異はない
- D境界確定訴訟は登記官が行う行政上の手続であり、筆界特定は裁判所が行う訴訟手続である
解説
筆界特定制度は筆界特定登記官による行政上の手続であり、その特定結果に既判力は生じない。これに対し境界確定訴訟は裁判所が確定判決によって筆界を確定するものであり、既判力を有する。
根拠不動産登記法第123条以下(筆界特定制度)
Aが所有する土地(単独所有)の全部が地震による地盤沈下で海中に没して消滅した場合、不動産登記法上Aが行うべき対応として正しいものはどれか。
- ✓滅失の日から1か月以内に当該土地の滅失の登記を申請しなければならない
- B登記官が職権で滅失の登記をするため、Aによる申請は不要である
- C滅失の登記に申請期限はなく、Aが任意の時期に申請すればよい
- D土地が物理的に消滅した場合には登記記録自体が自動的に閉鎖されるため、登記の申請は不要である
解説
土地が全部滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、滅失の日から1か月以内に滅失の登記を申請しなければならない。
根拠不動産登記法第42条
区分所有建物の専有部分について、壁その他の区画の内側で測った長さが縦5.8メートル×横4.8メートルであった場合、不動産登記規則に基づく当該専有部分の床面積として正しいものはどれか。
- A30.00平方メートル
- B32.24平方メートル
- C26.40平方メートル
- ✓27.84平方メートル
解説
区分建物の専有部分の床面積は、壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の面積(いわゆる内法面積)により算定するため、5.8メートル×4.8メートル=27.84平方メートルとなる。
根拠不動産登記規則第115条
不動産登記法における「表題部所有者」の意義として正しいものはどれか。
- A表題部に記録される所有権の登記名義人のことであり、所有権の登記がされている場合にのみ存在する。
- ✓所有権の登記がない不動産について、その所有権を有する者として表題部に氏名又は名称及び住所が記録される者をいう。
- C権利部甲区に記録される所有権の登記名義人と同一の者を指す用語である。
- D区分建物の専有部分について、規約により定められた管理者をいう。
解説
表題部所有者は、所有権の登記がない不動産について表題部に氏名等が記録される者をいい、所有権の登記がされると権利部甲区に所有権の登記名義人として記録が移る。
根拠不動産登記法第2条第10号(表題部所有者の定義)
不動産登記法に基づき登記所に備え付けられる「地図」(同法14条1項の地図)と「地図に準ずる図面」との違いに関する説明として正しいものはどれか。
- ✓地図は各土地の筆界点が現地において復元可能な精度で測量されたものであるのに対し、地図に準ずる図面はそのような精度を有しない図面(公図等)である。
- B地図に準ずる図面は電子データとして作成されるが、地図は紙媒体でのみ作成される。
- C地図は所有権の存在を証明する効力を有するが、地図に準ずる図面にはそのような効力は認められない。
- D地図は登記所ごとに作成が義務付けられているが、地図に準ずる図面は任意に備え置くことができるにすぎない。
解説
地図は現地復元能力を有する精度で作成された図面であるのに対し、地図に準ずる図面(旧土地台帳附属地図など)はそのような精度を有しない点で区別される。
根拠不動産登記法第14条(地図、地図に準ずる図面)
土地家屋調査士法第1条に定める同法の目的として正しいものはどれか。
- ✓土地家屋調査士の制度を定め、その業務の適正を図ることにより、不動産に関する権利の明確化に寄与すること
- B土地家屋調査士の制度を定め、国民の財産権を保護することにより、公正な取引の実現に寄与すること
- C土地家屋調査士の制度を定め、不動産登記制度の運営を国に代わって行わせることにより、登記費用の軽減に寄与すること
- D土地家屋調査士の制度を定め、不動産鑑定評価の適正化を図ることにより、不動産取引の円滑化に寄与すること
解説
第1条は、土地家屋調査士の制度を定めてその業務の適正を図ることにより、不動産に関する権利の明確化に寄与することを目的としている。
根拠土地家屋調査士法第1条(目的)
土地家屋調査士Aが、甲土地と乙土地の筆界について争いのある事件につき、甲土地所有者Bから筆界特定手続の代理を受任していたところ、同一事件について乙土地所有者Cからも代理を依頼された。この場合のAの対応として正しいものはどれか。
- ABとCの双方から委任状を取得すれば、双方代理として受任することができる
- BBの同意があれば、Cからの依頼を受任することができる
- CCからの依頼については、Aが所属する調査士会の許可を得れば受任することができる
- ✓Aは、Bからの依頼について既に受任しているため、相手方であるCからの依頼を受けることはできない
解説
土地家屋調査士は、相手方の依頼を受けた事件など業務を行い得ない事件が定められており、既に一方当事者から受任している事件について相手方から依頼を受けることはできず、本人の同意や調査士会の許可によっても解消されない。
根拠土地家屋調査士法 業務を行い得ない事件に関する規定
土地家屋調査士Aは、依頼者Bから境界確定業務を受任し、その業務を通じてBの財産に関する情報を知った。Aがその業務を廃業した後にBに関する当該情報を正当な理由なく第三者に漏らした場合の法的評価として正しいものはどれか。
- ✓正当な理由がない限り、業務を行う土地家屋調査士でなくなった後も秘密保持義務を負うため、義務違反となる
- B土地家屋調査士でなくなった後は秘密保持義務を負わないため、法的責任を問われることはない
- C秘密保持義務は委任契約が終了した時点で消滅するため、義務違反とはならない
- D秘密保持義務は口頭で知り得た情報には適用されず、書面により知った情報にのみ適用される
解説
土地家屋調査士法上、正当な理由がある場合を除き業務上知った秘密を漏らしてはならない義務は、調査士でなくなった後も存続すると解されており、資格喪失や委任終了によって消滅するものではない。
根拠土地家屋調査士法第21条(秘密保持の義務)
土地家屋調査士でない者Xが、土地家屋調査士法に違反して有償で他人の依頼により不動産の表示に関する登記の申請手続の代理を行っていた場合に関する説明として正しいものはどれか。
- AXの行為は、土地家屋調査士の登録を受けていなくても、測量士の資格を有していれば適法である
- ✓土地家屋調査士でない者は、原則として他人の依頼を受けて土地家屋調査士法第3条に定める業務を行うことはできず、違反した場合は罰則の対象となる
- CXが司法書士の資格を有していれば、当該代理業務を行うことができる
- D営利を目的としない場合に限り、土地家屋調査士でない者も当該業務を行うことができる
解説
土地家屋調査士でない者が土地家屋調査士の業務を行うこと(非調査士行為)は原則として禁止されており、違反した場合には罰則が定められている。測量士や司法書士の資格の有無、営利性の有無によってこの制限が解除されるものではない。
根拠土地家屋調査士法 非調査士による業務の禁止及び罰則に関する規定
土地家屋調査士会と日本土地家屋調査士会連合会の役割の違いに関する説明として正しいものはどれか。
- A日本土地家屋調査士会連合会は国の機関であり、土地家屋調査士に対する懲戒処分を行う権限を有する
- B土地家屋調査士会は土地家屋調査士個人を会員とすることができず、日本土地家屋調査士会連合会のみが個人を会員とする
- C土地家屋調査士会と日本土地家屋調査士会連合会は、いずれも法務大臣の指揮監督を受けない完全に独立した民間団体である
- ✓土地家屋調査士会は都道府県ごとに設立されるのに対し、日本土地家屋調査士会連合会は全国の土地家屋調査士会を会員として組織される
解説
土地家屋調査士会は都道府県の区域ごとに設立される団体であり、日本土地家屋調査士会連合会は各土地家屋調査士会を会員として組織される全国組織である点で両者は異なる。
根拠土地家屋調査士法 土地家屋調査士会及び日本土地家屋調査士会連合会に関する規定
土地家屋調査士となる資格を取得する方法に関する説明として正しいものはどれか。
- A土地家屋調査士試験に合格した者のみが資格を取得でき、他の方法は認められていない。
- ✓土地家屋調査士試験に合格した者のほか、法務大臣から土地家屋調査士の業務を行うのに必要な知識及び能力を有すると認定された者も資格を取得することができる。
- C司法書士となる資格を有する者は、申請により当然に土地家屋調査士となる資格を取得する。
- D一定期間、土地家屋調査士事務所に勤務すれば、試験を受けることなく資格を取得できる。
解説
土地家屋調査士となる資格は、試験合格のほか、実務経験等に基づき法務大臣が必要な知識及び能力を有すると認定した場合にも取得できる点が特徴である。
根拠土地家屋調査士法第4条(資格)
土地家屋調査士Aについて懲戒の原因となる行為が令和元年6月15日に行われたことが判明した。土地家屋調査士法上、法務大臣がこの行為を理由に懲戒の手続を開始することができる期限はどれか。
- A令和3年6月15日
- B令和6年6月15日
- ✓令和8年6月15日
- D令和11年6月15日
解説
土地家屋調査士法上、懲戒の原因となる行為があったときから7年を経過したときは、懲戒の手続を開始することができない。令和元年6月15日から7年後は令和8年6月15日であり、これが期限となる。
根拠土地家屋調査士法(懲戒の時効に関する規定)
ある閉合トラバース測量(多角測量)を行ったところ、各辺の緯距(ΔX)の代数和が+0.03メートル、経距(ΔY)の代数和が-0.04メートルであった。この場合の閉合誤差(連結誤差)として正しいものはどれか。
- A0.07メートル
- ✓0.05メートル
- C0.001メートル
- D0.025メートル
解説
緯距の代数和と経距の代数和を直角三角形の2辺とみなし、三平方の定理により閉合誤差を算出する。√(0.03²+0.04²)=√0.0025=0.05メートルとなる。
根拠測量法に基づく公共測量の作業規程(基準点測量・トラバース測量における閉合誤差の算出方法)
土地家屋調査士Aが分筆登記のための現地測量を行ったところ、分筆しようとする土地と隣接地との筆界点に設置されていたはずのコンクリート杭が亡失しており、現地にその痕跡も確認できなかった。この場合にAが取るべき対応として最も適切なものはどれか。
- A亡失した杭の位置を推定復元し、隣接土地所有者の立会いを得ることなく分筆登記を申請する。
- ✓既存の測量図面や資料、現地に残る他の境界標等の客観的な資料に基づき筆界点の位置を推定し、隣接土地所有者の立会いを求めて確認を行う。
- C筆界が不明であることが判明した時点で、隣接土地の所有者に一切連絡することなく業務を中止する。
- D登記官に筆界特定の申請をし、その結果が出るまでは現地における一切の測量作業を行わない。
解説
境界標が亡失している場合でも、既存資料や現地に残る客観的痕跡から筆界点の位置を推定し、隣接土地所有者の立会いを求めて確認することが実務上の基本的な対応である。立会いを経ずに一方的に筆界を確定することはできない。
根拠土地家屋調査士の実務における筆界確認手続(境界標滅失時の取扱い)
土地家屋調査士Aが筆界確認のために隣接地所有者Bに立会いを求めたが、Bが正当な理由なく立会いを拒否し続けている場合のAの対応として最も適切なものはどれか。
- ABの同意がない以上、筆界を確認する方法は一切存在しないため、業務を中止するほかない。
- BBに無断でAの判断のみにより筆界を確定し、その結果を地積測量図に記載する。
- CBに対して直ちに刑事告訴の手続をとる。
- ✓既存資料の収集や測量等により客観的根拠を整えた上で引き続きBの理解を得る努力を行い、必要に応じて筆界特定制度や筆界確定訴訟等の利用を依頼者に説明する。
解説
立会い拒否があっても直ちに業務を断念したり、一方的に筆界を確定したりすることは適切ではなく、資料収集・測量等により客観的根拠を整えながら理解を求め、必要に応じて筆界特定制度や訴訟手続の活用を依頼者に説明することが適切な対応である。
根拠土地家屋調査士の実務における筆界確認手続及び筆界特定制度・筆界確定訴訟の活用
測量で一般的に用いられる平面直角座標系における座標軸及び角度の測り方と、数学で用いられる一般的なデカルト座標系との違いに関する説明として正しいものはどれか。
- A測量の座標系と数学の座標系は、軸の取り方及び角度の測り方のいずれも共通しており、相違はない。
- ✓測量の座標系ではX軸を南北方向(北を正)、Y軸を東西方向(東を正)とし、方位角は真北を基準に時計回りに測るのに対し、数学の座標系ではX軸を東西方向、Y軸を南北方向とし、角度は反時計回りに測るのが一般的である。
- C測量の座標系ではY軸が南北方向(北を正)、X軸が東西方向であり、数学の座標系と同一の取り方である。
- D測量の座標系における方位角は反時計回りに測るのに対し、数学の座標系における角度は時計回りに測る。
解説
測量の座標系はX軸を南北、Y軸を東西とし、方位角は真北からの時計回りで測るのに対し、数学の座標系はX軸を東西、Y軸を南北とし、角度は反時計回りで測るのが一般的であり、両者の取り扱いは逆になっている。
根拠測量における平面直角座標系と方位角の定義
筆界確認を経て境界標を設置するまでの一般的な作業手順として正しいものはどれか。「①隣接土地所有者の立会いによる筆界の確認 ②確認された筆界点の測量による位置の確定 ③境界標の設置 ④設置状況の写真撮影等による記録の作成」
- A②→①→③→④
- ✓①→②→③→④
- C③→②→①→④
- D①→③→②→④
解説
まず隣接土地所有者の立会いを得て筆界を確認し、その筆界点を測量によって位置確定した上で境界標を設置し、最後に設置状況を記録として残すという順序が一般的である。
根拠土地家屋調査士の実務における筆界確認から境界標設置までの作業手順
既知点A(標高10.000メートル)にレベルを据え、A点の標尺を後視して読み取り値1.542メートルを得た後、B点の標尺を前視して読み取り値0.987メートルを得た場合、B点の標高として正しいものはどれか。
- ✓10.555メートル
- B9.445メートル
- C11.542メートル
- D10.987メートル
解説
高低差は後視の読み取り値から前視の読み取り値を引いて求め、1.542−0.987=0.555メートルとなる。B点はA点より0.555メートル高いので、10.000+0.555=10.555メートルとなる。
根拠測量学・水準測量の計算方法(土地家屋調査士試験・測量分野)
現地測量を行う際に使用を予定していた近傍の基準点(三角点)が亡失していることが判明した場合に、土地家屋調査士が最初に取るべき対応として最も適切なものはどれか。
- A亡失を無視し、概略の位置を目視で推定した上でそのまま測量を実施する。
- ✓周辺に使用可能な他の基準点があるかを確認し、利用可能な基準点がない場合には新たに基準点を設置するなどして測量の基準を確保する。
- C基準点が亡失している場合は、当該測量そのものを行うことができないため直ちに業務を中止する。
- D基準点の亡失について調査せず、登記所の保管する地積測量図のみを根拠として現地に境界標を設置する。
解説
予定していた基準点が利用できない場合、まず他の既知の基準点の利用可能性を確認し、それも無ければ新点を設置するなど測量の基準を適切に確保することが求められる。
根拠基準点測量における既知点の確保(土地家屋調査士試験・測量分野)